貸金業法違反とは何ですか?どんな罰則がありますか?
貸金業法とは、消費者金融やカードローンなどの貸金業者が守らなければならない法律です。この法律に違反すると、罰金や営業停止、業務改善命令などの行政処分や、懲役や罰金などの刑事罰が科せられます。今回は、貸金業法違反の種類とその罰則、そしてその対策について解説していきたいと思います。
貸金業法違反の種類と罰則
- Q貸金業法違反の種類とその罰則を教えてください。
- A
結論をまとめると
- 貸金業法違反の種類は、無登録営業、高利貸し、過剰貸付、不当な取立て、不当な契約内容などがあります。
- それぞれの違反に対しては、行政処分や刑事罰が科せられます。行政処分は、罰金や営業停止、業務改善命令などで、刑事罰は、懲役や罰金などです。
- その対策としては、貸金業者は貸金業法を遵守し、消費者は自己責任で借り入れを行い、返済計画を立てることが大切です。
以上のようになりますので、以下で詳しく説明していきます。
消費者金融の無登録営業
- Q消費者金融の無登録営業とは何ですか?
- A
消費者金融の無登録営業とは、貸金業者が国や都道府県に登録せずに貸金業を行うことです。貸金業者は、貸金業法に基づいて登録をしなければなりません。登録をしないで営業すると、消費者の利益を守ることができませんし、不正な取引やトラブルが起こりやすくなります。
- Q無登録営業に対する罰則は何ですか?
- A
無登録営業に対する罰則は、
- 刑事罰:10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金、またはこれが併科される
です。登録された貸金業者は、貸金業者登録一覧のPDFで確認することができます。登録されていない貸金業者から借り入れると、法律で定められた利息や返済方法に従わなくてもよいということになりますが、それは非常に危険です。無登録営業の貸金業者は、違法な高利や暴力的な取立てを行うことがあります。そのようなトラブルに巻き込まれないためにも、登録された貸金業者から借り入れることをおすすめします。
消費者金融の高利貸し
- Q高利貸しとは何ですか?
- A
高利貸しとは、法律で定められた上限を超える利息を取ることです。利息制限法により、以下の通り上限金利が定められており、これらの上限を超える利息(みなし利息含む)を取ることは、高利貸しと呼ばれ、違法です。みなし利息とは、礼金、割引金、手数料、調査料などを含み(利息制限法第3条)、カードの再発行の手数料、印紙代、強制執行の予納金、振込手数料などは含まれません(利息制限法第6条)。
- 借入額別の利息制限法の上限金利
借入額 上限金利(年利) 10万円未満 年利20% 10万円以上100万円未満 年利18% 100万円以上 年利15% - 貸金業者の遅延損害金の上限金利
貸付金額を問わず、上限は年利20% - 個人間の貸付における遅延損害金の上限金利
借入額 遅延損害金の上限金利(年利)* 10万円未満 年利29.2% 10万円以上100万円未満 年利26.28% 100万円以上 年利21.9% *いずれも利息制限法の上限金利の1.46倍まで
- Q高利貸しに対する罰則は何ですか?
- A
高利貸しに対する罰則は、
- 行政処分:貸金業者の登録取消しや業務停止命令
- 刑事罰:5年以下の懲役、1千万円(法人の場合3千万円)以下の罰金
です。違法な高利を払ってしまった場合は、過払い金請求の権利があります。過払い金請求とは、過剰に支払った利息や手数料を貸金業者に返してもらうことです。過払い金請求は、消費者センターや弁護士などに相談することができます。
キャッシングの過剰貸付
- Q過剰貸付とは何ですか?
- A
過剰貸付とは、貸金業者が消費者の返済能力を超える額を貸すことです。消費者の返済能力とは、消費者の収入や支出から算出される月々の返済可能額のことです。過剰貸付は、消費者の多重債務や自己破産などの経済的困難を招くおそれがあります。
- Q過剰貸付に対する罰則は何ですか?
- A
過剰貸付に対する罰則は、明確には定められておりません。事業者側には総量規制の他、自主規制団体のルールや借り手の返済能力の調査などがありますが、消費者側は自分の返済能力を把握し、各事業者が提供する返済シミュレーションツールを使って、無理のない返済ができるかチェックし、必要以上に借り入れないようにすること必要があります。過剰貸付においては過払い請求のようなわかりやすい請求ができず、過剰貸付の契約を有効にする判決も、程度いかんによっては全部または一部を無効とする考えもあることから消費者センターや弁護士などに相談されることをおすすめします。
不当な取立て
- Q不当な取立てとは何ですか?
- A
不当な取立てとは、貸金業者が消費者に対して暴力や脅迫、名誉毀損などの不法行為を行うことです。例えば、以下のような行為は不当な取立てにあたります。
- 消費者やその家族、勤務先などに暴力や暴言をふるうこと
- 消費者やその家族、勤務先などに嘘や誇張した内容を伝えること
- 消費者やその家族、勤務先などに無断で連絡したり訪問したりすること
- 消費者やその家族、勤務先などに不当な支払い方法や期限を要求すること
不当な取立ては、消費者の人権やプライバシーを侵害し、精神的苦痛や社会的不利益を与える可能性があります。
- Q不当な取立てに対する罰則は何ですか?
- A
不当な取立てに対する罰則は、
- 行政処分:貸金業者の登録取消しや業務停止命令など
- 刑事罰:2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその両方
です。不当な取立てを受けた場合は、証拠として録音や録画を行い、警察や消費者センターなどに相談することが重要です。また、不当な取立てが原因で過払い金が発生した場合は、過払い金請求の権利があります。
まとめ
この記事では、無登録営業、高利貸し、過剰貸付、不当な取立て、の4つの違反とその罰則、そしてその対策について解説しました。貸金業法違反は、消費者の経済的安全や社会的信用を脅かす重大な問題です。そのため、貸金業者は貸金業法を遵守し、消費者は自己責任で借り入れを行い、返済計画を立てることが大切です。また、過払い金請求や無効・取消しの権利などの救済措置も活用することができます。貸金業法違反に関する疑問や相談がある場合は、金融庁や消費者センターなどの公的機関や、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。貸金業法違反による被害を防ぐためにも、貸金業法の知識を身につけることが重要です。
以上になります。この記事が、貸金業法違反に関する理解や関心の向上に役立てば幸いです。ありがとうございました。
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